エポック「三国志」(マルチゲーム)
三国志を舞台にした陣取りゲーム、史実通りにはならない
ゲームバランスはぶっ壊れで、一番最初のランダム武将引きで強い武将を引けたプレイヤーと、弱い武将しか引けなかったプレイヤーの差が露骨に出る
他にもランダム引きで内政用の武将が出てこなかったプレイヤーはまともに戦争できないなど、ランダム引きの差が激しい
が、元からそういうモノだと思ってゲームをすれば、楽しいもの
ランダムに引いた武将でマルチを戦うため、偶然引くことができた強キャラには自然と愛着が湧くのが良い
「俺の孫権、イケー」となる
戦闘も撤退のタイミングが悩ましく、不利な状況下で偶然の一発による形勢逆転を期待するか、それとも早期の撤退で損切りするか、うまい具合に悩まされる
中立勢力(NPC勢力)との戦闘に時間がかかるため、そこだけハウスルールで簡略化した方が良いと思うが、それを除けばマルチで(理不尽を含めて)盛り上がれる楽しいゲーム
基本システム:陣取りゲーム
おすすめ度:☆3
まとめ:マルチで盛り上がれる、理不尽+キャラゲー
プレイ時間:4時間~
「Dune 反乱」(マルチゲーム)
映画「Dune」を題材にしたボードゲーム「Dune」のバランス改善版が「Dune 反乱」
ワーカープレイスメントで、各種生産をし、軍隊を出し、そのターンに最も多く軍隊を出したプレイヤーは報酬(多くは勝利点)を得られる
「反乱」では一部ゲームバランスが変更され、全体的に多様なプレイスタイルができるように改善
基本システム:ワーカープレイスメント
おすすめ度:☆3
まとめ:バランスの良いワーカープレイスメント
プレイ時間:4時間程度
「東インド会社」(マルチゲーム)
プレイヤーは貿易会社の社長となり、アジアで商品を買い付け、ヨーロッパで売ることにより利益を上げる
商品の値段には需要と供給の関係がシンプルに再現されており、アジアでは商品在庫が多いほど値段が安くなり、ヨーロッパでは在庫が少ないほど値段が高くなる
資金関係がシビアで、船の購入費用、仕入れ費用、船の運用費用などをやりくりしていると、余る資金などほとんどない
また、プレイヤーは自社の運輸業以外に、プレイヤー企業の株の売買、配当でも利益を上げられる
ゲームバランスとしては、全プレイヤー間のバランスが非常に重要で、今回のプレイでは4人中3人が運輸業に集中した結果、運輸では過当競争で利益が出なくなり、株式売買に走ったプレイヤーの一人勝ちとなった
一見すると拡大再生産ゲーのようにも見えるが、バランスはシビアで、過当競争に巻き込まれると簡単に赤字に陥ってしまう(正確には赤字が目に見えて仕入れができなくなる)
拡大再生産ゲーには「複数人でゲームをしているというよりも、全員がソロプレイをしている感じになる」という欠点があったが、本ゲームは過当競争を避けて、儲かる分野に投資するという観点で、本当のマルチゲーといっていいだろう
基本システム:拡大再生産
おすすめ度:☆3
まとめ:過当競争を避け、儲かる事業に投資せよ
プレイ時間:4時間程度
「ヴェルサイユ1919」(マルチゲーム)
プレイヤーは英米仏伊を担当し、ヴェルサイユ条約の交渉を行う(プレイ人数は3~4人限定)
基本は、カードを競るタイプのゲーム
例えばアルザス・ロレーヌ問題のカードなら、①フランスに割譲②ドイツに割譲③国際管理の選択肢があり、カードに最も高い値をつけたプレイヤーが選択肢を選べる
ここで、ドイツに割譲の選択肢が選ばれると、フランスは国民感情にマイナス3点となり、国民感情はゲーム終了時点での順位に応じて勝利点となる
この国民感情は基本的に下がる一方であり、膨大な犠牲を払った大戦の講和条約は、どの国にとってもあまり納得のいかないものになるのがヒストリカル
勝利点は他にも、単純にカードを競り落とすことで得られたり、サブ目標カードによっても与えられる
この目標サブカードにより、民族自決が多く行われると利益になるプレイヤーや、ドイツ経済を破壊すると利益になるプレイヤー、逆にドイツの領土温存が利益になるプレイヤーなどが現れるのが面白い
また、選択肢によっては領土の変更が地域の不安定化をもたらすこともあり、不安定化した地域では確立によって反乱が発生する
大国がヴェルサイユで物事を決めても、現地の人々から受け入れられない可能性もあるわけである
最終的に最も自国に有利な形の条約にすると勝利
私はフランスを担当し、アルザスをドイツに併合されるもゲーム的には勝利
大戦争の講和条約はその後の世界の形を決める歴史の一大イベントなので、歴史的にもかなり興味が湧いてきた
基本システム:競りゲー
おすすめ度:☆3
まとめ:この時代に興味があるならぜひ
プレイ時間:4時間程度
「文明の曙」(マルチゲーム)
某合宿で行われた、17人参加の2日間企画
マップはイベリア半島からインドまでを範囲に収める
ゲーム内容は古代国家の運営で、他プレイヤーとの戦争もできるが、天災が凶悪なのが特徴
私が担当したローマも、途中まで17人中3位だったものの、ダブル災害で疲弊し、優勝争いから脱落してしまった
ゲーム的には交易が非常に重要で、ランダムに配られるカードを、互いに交換し、同じ種類のカードを複数枚集めることで高得点になる
その得点で技術を発展させ、国家を強大にしていく
基本システム:交易ゲーム
おすすめ度:☆2
まとめ:超多人数でも遊べるゲーム
プレイ時間:12時間程度
「Struggle of Empires(ストラグル・オブ・エンパイア)」(マルチゲーム)
18世紀を舞台に、プレイヤーはイギリス・フランス・スペイン・プロイセン・オーストリア・ロシアに分かれて自国の領土拡大を目指す
時代がマイナーな点(しかし世界史的には興味深い時代)、それ故に新大陸との通行に多少のコストがかかったり、アメリカ先住民を雇えたりするといった特徴はあるが、基本はよくある陣取りゲーム
が、このゲームの他にはない魅力が、陣営決めフェイズがターンの初めにある点
陣営決めフェイズでプレイヤーは2つの陣営に分けられ、同じ陣営のプレイヤーに対しては攻撃することができない
よって、伸びてるプレイヤーの足を引っ張りたくても、同じ陣営には攻撃できないため、敵陣営のプレイヤーに叩いてもらうよう依頼したりと、他のゲームでは味わえない複雑な外交戦が展開される
史実的には七年戦争とか、あのあたりの戦争が念頭にあるのだろう
私はプロイセンを担当し、惜しくも3位であったが、独特なゲーム体験ができ満足であった
今回は6人プレイであったが、5人や7人といった奇数人数の方が、陣営間で格差が生まれ、面白いと思う
基本システム:陣取りゲーム
おすすめ度:☆3
まとめ:プレイヤーを
プレイ時間:12時間程度
Strategy&Tactics誌304号付録「南部のアメリカ革命」(2人ウォーゲーム)
アメリカ人がアメリカ人向けに作ったアメリカ独立戦争ゲーム(和訳あり)
案の定、日本では売れず、安売りされたところを私が買った(2人用,今回はソロプレイ)
(左の画像)参戦兵力が民兵主体だからか、どの部隊も攻撃力が低く、ごく普通の街プラッシーバーグ(青の1が半包囲されている場所)が英雄都市なみに敵の攻撃を防ぎ続けている
英国軍(赤色)は早く米軍に打撃を与えないと、北のフランス軍(黄色,青の米国軍の援軍)が到着してしまう
季節が秋なのだが、なんと20%の確率でしか晴れず、残りはRainかStromかsnowしかない
アメリカ南部の秋ってこんなひどい季節なの?
ロシアの泥濘期じゃん
(右の画像)最終的な戦況図
英国軍部隊が米仏軍の半分になったので投了
このゲーム、Strategy&Tactics誌304号付録「南部のアメリカ革命」は、ゲームルールに不明点は多いし、(少なくとも今やったシナリオでは)ゲームバランスは悪いし、ゲームが長い割にマイクロマネジメントも多くてテンポも悪い
でも、1日が1ターンで、夜間の強行軍ができたり、脱走/病気ルール、道に迷うルール、ZOCなし/補給なしのルールは、この戦争の雰囲気を感じさせてくれるし、1コマが50人~1500人程度というスケールもあってか、”自分が軍事指揮官として、軍隊を指揮している”感じがして楽しい
基本システム:ウォーゲーム
おすすめ度:☆2
まとめ:1万人を下回る人数の目に見える範囲の総司令官になれるゲーム
プレイ時間:6時間~(シナリオによる)
ゲームジャーナルNo.89「フランス革命1789」(マルチゲーム)
ゲーム会でフランス革命1789をプレイ(プレイ人数は2~5人,この時は5人だったと思う)
プレイヤーは陣営など関係なくキャラクターを操れ、プレイヤーがVPを稼ぐ過程でフランス革命が勝手に再現されるというゲームシステム
例えば、共和制時代になると、ライバルのキャラを追い落とす効果のある処刑アクションが頻繁に行われ、結果的に恐怖政治が再現される
物語的には、共和制の大処刑時代の後、ナポレオンが投獄され、絶対王政に逆戻り
フランス全土も王党派軍が取り返すという、割とあり得そうな(?)展開となった
基本システム:特殊
おすすめ度:3
まとめ:この時代に興味があるならぜひ
プレイ時間:4時間程度
ドイツ装甲軍団1「スモレンスク攻防戦(1941年)」(2人ウォーゲーム)
2人用ウォーゲームをソロプレイ
傑作なうえ、シンプルルール+短時間で終わる+機動戦と私の嗜好にドンピシャな作品であった
このゲームの凄いところは、史実の切り取り方
普通、何も考えずにスモレンスク戦の初めから終わりまでをゲーム化するが、本ゲームではドイツ軍がソ連軍戦線を突破し、包囲したソ連軍を殲滅しようとしている所に、ソ連軍の必死の反撃と脱出が行われるという、スモレンスク戦の一番おいしいところだけを切り取っている
部隊は大半が増援として登場するのだが、それが上記ツイートの画像の色を付けた部分から登場する
重要なのは上のピンクの場所から出てくる部隊で、これが史実ではドイツ軍が包囲しながらも取り逃がしたソ連軍部隊の出現位置
戦闘結果は過剰なまでに攻撃側有利なため、いかにイニシアティブを取って戦闘をするかが重要になってくる
ドイツ軍はその機動力を生かして戦場を駆け巡り、
あちらこちらで攻勢の構えを示すことで、ソ連軍を文字通り右往左往させることができる
一方、勝利条件としてはソ連軍部隊の損害は計算されない一方、ドイツ軍部隊の損害に以上に厳しく、ドイツ軍は通常の「少しの損害でソ連軍大部隊を壊滅させました」はゲーム的には負けとなる
この辺が、近年の独ソ戦研究(ソ連軍は1941年にモスクワ戦で冬将軍に助けられて買ったのではなく、スモレンスク戦でドイツの機甲部隊が損耗しすぎた結果、ドイツは普通に兵力不足で負けた)の解釈とぴったり一致しており、凄い
本ゲーム自体は古いゲームなので、おそらく偶然の一致で奇跡的に最新の独ソ戦研究と重なったのだと思われる
結果として、ドイツ軍はソ連軍の少しの反撃も許すことができず、なかなかに珍しい、寡兵で守るよりも、優れた戦力で攻める方が難しいというゲームになっている
ルールも簡単で、ウォーゲーム初心者にもおすすめ
基本システム:ウォーゲーム
おすすめ度:☆2
まとめ:バランスの良い簡単独ソ戦ゲー
プレイ時間:4時間程度
a distant plain(coinシリーズ、マルチゲーム)
2009年のアフガニスタンを舞台に、アメリカ・アフガン政権・現地軍閥・タリバンがそれぞれ自身の目的を達成しようと競う(4人プレイ)
画像は、青がアフガン政権軍、水色がアフガン政権の警察、緑が軍閥で、黄色が米軍、黒がタリバン
私はアフガン政権を担当
一応、アフガン政権にとってアメリカは同盟国ではあるが、目的は異なっており、アメリカはアフガン住民からの支持を目的とするのに対し、アフガン政権は実効支配地域の拡大と、賄賂の拡大を目的とする
アメリカが現地住民の生活状況の改善で支持を伸ばす背後で、アフガン政権は軍閥から麻薬農場を接収し、押収した麻薬を販売して私腹を肥やす
ついでに国際社会に麻薬撲滅頑張ってますアピールで、支援金も貰える
しかし、麻薬栽培は現地経済の柱であるので、麻薬農場を接収すると、現地住民からは反感を買い、政権への支持は下落する
が、前述の通り支持が低下して困るのはアメリカなので、アフガン政権には無関係
タリバンとは戦ったところで、あまり利益にならないので、人口の多い場所だけ防備だけ固めておく
基本的に、ゲリラ相手には有効な打撃を与えるのは難しい
軍閥は麻薬栽培の利権で賄賂の源になってくれるので、あまり敵対関係には無い
今日はショートシナリオの半分まで進み、そこで終了となった
基本システム:陣取りゲーム
おすすめ度:☆2
まとめ:アフガニスタンの雰囲気を味わえる
プレイ時間:8時間程度?
ボードゲームの始め方
1人でできるゲームは限られているし、多人数の方が絶対面白い
ボードゲームを遊ぶようなメンバーがいるのであれば、ボードゲームカフェに行くと、様々なゲームを遊ぶことができる
しかし、それもいないのであれば、(ハードルは高いが)ネットで見つけたゲーム会に飛び入り参加するのが良いと思われる
自分に合ったサークルが見つかれば、ボドゲ好きのおじさんが毎回ゲームを持ってきてくれるので、自分はタダで遊ぶことができる
筆者の場合、ウォーゲーム会をネットで見つけて、そこに飛び入り参加した
ウォーゲーム会であればゲームジャーナル誌に各地方も含めてゲーム会の情報が乗っているので、ウォーゲーム会から参加すると趣味のあった人が見つかって参加しやすいかもしれない
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